院長ブログ Vol.29 「ごちそうさま」
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「ごちそうさま」
美味しく食事を頂いた後「ごちそうさまでした」と言います
この「ごちそうさま」は「ご馳走さま」とも書き「馳」も「走」も走る事を意味する漢字で、
2文字を組み合わせた「馳走」で「走り回る」「奔走する」事を意味します。
「馳走」とは、訪問した大切な客人をもてなす為、馬に乗って遠くまで走り回り
食材を探し調達した人々への感謝の気持ちを表す仏教(浄土真宗)の言葉が変化し
「ご」と「さま」が付けられ丁寧語となりました。
ところで日本の食料自給率は40%(諸説ありますが)、先進国の中で
最も低いレベルと言われていて、年間約5800万トンもの食料が海外から
輸入されています。
日本国内の食料の調達先である農家の実質労働者数は約200万人、
日本人1億2700万人の生活を支えるとすれば、農業に従事する人 1人当たり
65人を支える計算になります。
残念な事に現在 農業に従事する人の大半は65歳以上の高齢者で、
その割合は約54%となり農業人口は減少の一途をたどっています。
また2000年からの5年間で15%、43万人以上も減少しており
かなり深刻な状況です。
私は40年前から大阪南部の河内長野市に住んでいます。
昔は家の窓から一面緑の田畑が見えていましたが、
今は一面コンクリートの建物や駐車場ばかりとなり、
緑の田畑を探す方が難しくなりました。
『誰が食料を走り回って調達してくれるのか?』を真剣に考え、
食べ物を大切に思う心を持たないと『日本の食卓からご馳走が
消える日がやってくる日も遠くないのではないか』と大きな不安を感じます。
美味しく食事を頂き「ごちそうさま」の後は、歯のお手入れを忘れずに。
医療法人添田歯科診療所 院長 添田義博
追記:このブログは
「新しい農業のかたち 2009」を参考にさせて頂きました。