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PostHeaderIcon 院長ブログ Vol.16 「サトリとキコリ」

 

————————————————————- 院長 ブログ

 

「サトリとキコリ」

昔、山奥の小さな村にキコリがいた。キコリは、森で木を伐ったり  

畑を耕したりし、細々と暮らしていた。

ある日、木を伐るために森の奥深くまでやって来ると古い切り株の上に、

何やら見たこともないような生き物が胡坐をかいていた。サトリだった。

サトリは、神出鬼没で、人の心を読み、たぶらかす不思議な妖怪だった。

さとりの化け物 鳥山石燕画          「今昔画図続百鬼」出典

今まで数多くの人が、捕まえようとして、誰一人として

捕まえることができなかった妖怪だった。

キコリは、村の長老からキコリのこと聞いて知っていた

キコリ 『よし、こいつを生け捕りにしてやろう』

サトリ 『おまえ、おれを生け捕りにするつもりだな』

キコリ 『こいつはオドロイタ、噂通りの妖怪だ、用心して

     かからねば』

サトリ 『おれに心を読まれオドロイテいるな、いくら用心

     しても、おまえのようなボンクラには、捕まらぬ

     は・・・は、は、は、は、ケロケロ』

そう言って、キコリを嘲笑いバカにし始めた。

キコリ 『ええい、チョームカつくやつめ、いっそのことこの

     斧で撃ち殺してやる』

サトリ 『おお怖い、おれを斧で撃ち殺すか・・・逃げろや、逃げろケロケロ』

サトリは、キコリの前からぱっと消え、少し離れた木の枝にまた姿を現した

キコリ 『こんなやつを相手にしたら、商売あがったりだ、どこへでも失せやがれ』

サトリ 『おれを捕まえることをあきらめたか、情けない奴めケロケロ』

キコリは、サトリがいることを忘れようと、木を伐ることに集中しはじめた

そうしているうちに、本当にサトリがいることを忘れ、汗だくになりながら、

真剣に木を伐り続けた。そして突然斧を木に入れたとき、ガチンと鋭い音がし

斧の先が柄から外れ、サトリの方へ飛んでいき、サトリの頭にあたり

サトリは気絶した。

こうしてキコリはサトリを捕えることができたとさ。

            

このキコリとサトリの話は、もう20年ぐらいに読んだ、確か「禅の話」という本に

載っていたものを、記憶をもとに書いたものです

本には、こうしたら得だ、ああしたら成功するとか、欲にとわれると足元をすくわれる、

目先の欲にとわれず無心で自分のできることをすると道(さとり)は開けるということを

解説してあったと思います。(この内容をよくご存じのかた、内容が大きくズレテいたら

すいません。お詫び申し上げます)。

わたしも日頃、こうしたら得だ、ああしたら損だという思いにとらわれそうになったときは、

この話を思い出すようにしています。

医療法人 添田歯科診療所 院長 添田義博

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