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PostHeaderIcon 院長ブログ Vol.45 「三支縁起」

  

——————————————————————–院長ブログ

「三支縁起」

お釈迦様は「三支縁起」という教えの中で、

『我々は無明(無知)であるがゆえ、何かに欲望を持ち 欲望を持つがゆえに

何かに執着し 執着するがゆえに、苦しみが生まれる。

そして同じ事を繰り返し苦しむ』という事を説いておられます。

私はお釈迦さまが説かれたように、我々の欲望というものは、

喉の渇いた人が海水を飲んで、更に強い渇きに苦しむ様に、

更なる欲望を生みだし欲望が膨らめば膨らむ程、執着が強くなり

結局 苦しみも膨らんでいくという様な気がします。

   

さて、苦しみから抜け出す為には、執着をなくす必要があり、執着がなくなれば、欲望も

なくなるわけで、欲望をなくすためには、無明の状態から目覚める必要があるわけです。

しかしながら、お釈迦様のような悟りの境地に達した方ならいざ知らず、

物質に溢れ欲望の渦巻く世の中に生きる私の様な凡夫には、分かってはいても

実践するのは、至難の業であります。

昔ある儒学者が寺の和尚を訪ね「拙者は三度の飯より酒が好きで、

飯を減らしても酒だけは減らせませぬ。

貴僧にお伺いしたいのじゃが極楽にも酒がありますかな?

酒がないような所なら拙者には極楽ではなく、そんな所は真っ平ご免じゃ」と。

和尚が返事に困ると思いきや「さて拙僧はまだ極楽に行った事がござらぬので

酒があるかないかは知りませぬ。

しかし、こんな話がありまする」そう言って和尚は話を始めた。

「昔ある所に白い犬と黒い犬がおった。犬の社会では、

白い犬は来世では人間に生まれ変わることができると

云われておってのう。

黒い犬は、白犬に向かって『おぬしは幸せものじゃワン。

来世では人間様に生まれ変われるのじゃからのう。2本足で歩けて、

きれいな着物を着て美味しい御馳走を食べれて、ほんに羨ましい事じゃワン』と

言うと白い犬は、『人間様に生まれ変われるのはありがたいことじゃが、

1つ心配なことがあるのじゃワン。わしはあのウンコが大好物での。

人間になってもウンコが食えるんじゃろか?ワン』というような話がござる。

貴殿が極楽でも「酒が飲めるか?」と言うのは、この白犬が「ウンコが食えるか?」と言うのと

同じであろうな。これには儒学者も恥ずかしくなり、舌を巻いて逃げ出してしまった。

  

私達が執着しているお金・お酒・煙草・服飾・グルメなどなど。。。案外 悟りを開いた境地の人

からみると、この話の様な物かもしれない… という気がしました。

ワインを飲みながらこのブログを書いていると

妻  「あなた お義父さんみたいにお酒も強くないのに、ワインなんか飲むのやめれば」

私  「いや、これはボルドーのビンテージワインで、そうそう飲めるもんでは…」

ん?そう言った瞬間、

自分自身あのソフトバンクの CMの白犬のお父さんになったような気がした。「ワン!」

「三支縁起」執着する事は苦しみにつながる、というお釈迦様の

教えでは ありますが、スタッフと共により良い治療を提供し、

来院される患者さんの笑顔を見る事には、

執着していきたいと思ってい ます。

ちなみに「三支縁起」から、無明・愛・取・苦(老死ともいう)の四支縁起説が生まれ、

時代がくだると無明から苦に至るまでの要因が増え、ついに 12項目を数えるまでに

発展しました。  

医療法人 添田歯科診療所 院長 添田義博

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