添田院長ブログ Vol.84 「口汚し」
「ほんのお口汚しですが、皆さんで、召し上がってください」
少し前のことですが、昔からの患者さんから
お菓子の、差し入れをいただきました。
私の診療所は、女性スタッフが多いせいか
よく患者さんから、お口汚しにとスタッフに差し入れをいただくことがあります。
「口汚し」とは、食べ物などの量が少なく、口を汚す程度で、
へりくだっていう言葉ですが、来院されるかたは、
郊外から電車に乗って来られるかたが、ほとんどで、
星の数ほどある歯医者さんを通り越して、
電車賃を使って来ていただき、差し入れまで買っていただき、
こちらのほうが恐縮します。
さて、先ほどの口汚しといって、いただいたお菓子の箱が
2、3人のスタッフが「どこのお菓子かな」という風に
食べたそうに眺めていました。
私が、「折角いただいたお菓子だから、眺めてないでいただけば?」
と声をかけると「はあ~、でも私たちが一番先によばれるのは・・・」と
何だか、何かを恐れるように、なかなか手をつけようとしません
「さあ、遠慮せずにといただきなさいよ」と勧めると
ようやく「いただきます」といって食べ始めました。
彼女たちが、遠慮していた理由ですが
私の診療所には、患者さんから主(ヌシ)とか番頭さんとか呼ばれている
最古参のスタッフ(ブログNo.22 タヌキに登場)がいます。
彼女は、自分が直接、患者さんから差し入れを受け取ったときは
必ず、小脇に抱え、いそいそとスタッフルームに持って行き
真っ先に開けて、真っ先に口汚しをすることが多いのですが。
どうやら、スタッフの間では患者さんから何かいただきものをすると
古狸、いや間違った、古参の彼女より先に、口汚しをすることはタブー
その彼女ですが、最近、お腹周りが気になり
健康と美に目覚めたのか?
毎日、診療所にある体重計に乗り
「○○kg!? おかしいな~食べてないのになんで体重
増えるやろ?今日は、もう何も口に入れない」
などといって差し入れをいただいても
お口汚しをせずに、ガマンしていることが多いようです。
私は「いつまで続くことやら」と思っていますが・・・・
さて、皆さん「口汚し」をいただき、お口を汚した後は
忘れず歯磨きで、お口をきれいにしてください。
そして、たまには歯医者さんで本格的にきれいに
してもらうことをお勧めします。
医療法人 添田歯科診療所 院長 添田義博