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PostHeaderIcon 添田院長ブログ Vol.76 「鳥獣戯画からEMANUEL.NOTERMANの絵」

 

————————————————————————–院長ブログ 

「鳥獣戯画からEMANUEL.NOTERMANの絵」  

     

日曜日、久しぶりに家で寛いでいると、リビングのテーブルの上に  

娘が見ていたのか、美術の本がありました。  

日本の中世美術史の本らしく、何気なく見ていると  

京都 高山寺の国宝「鳥獣戯画」が目にとまりました。  

「鳥獣人物戯画」

「鳥獣戯画」といえば   

ウサギとカエルが相撲をとっている絵を  

中学生か、高校生の頃、歴史のテキストなどで  

一度は、目にされているのではないでしょうか。  

正確には、「鳥獣人物戯画」というそうです。  

動物たちが、擬人化して絵巻物に描かれている 

姿は、何とも滑稽で見る人々の心を和ませてくれます。 

「鳥獣戯画」は日本最古の漫画とも云われているそうです。  

日本の漫画文化のルーツがここにあるような気がします。  

作者は、鳥羽僧正覚猷で平安時代末期から鎌倉時代前期にかけて  

描いたと云われてますが、本当のところは分かっていないようです。  

「鳥獣戯画」を見ていると、ふと、ベルギーのEMANUEL.NOTERMAN(エマニエル.ノテルマン)

の絵を思い出しました。  

19世紀中ごろのフランスで活躍した画家ですが 、彼の作品の中に 

「5フランの治療代」という絵があります。  

その当時の歯科治療の情景を  

「Dent a' 5Francs」 EMANUEL.NOTERMAN  クリックで大きい画像が見れます

サルとイヌを擬人化し描写したものですが  

左がその絵ですが、サルが歯医者で、 

患者さんがイヌで、ペンチのような器具を使って 

抜歯をしているようです。 

治療を受けている犬の後ろには、順番を待ちの 

患者さんと思われる犬が、3匹います。 

左上の壁には、フランス語で 

『治療代5フラン』と書かれています。 

抜歯することに懸命になっているサルの表情、治療を受けているイヌの恐怖の表情  

順番待ちのイヌたちの不安げな表情、治療することに囚われ、患者さんの苦痛に 

気付かない歯科医、歯科治療を受ける患者さん  

また、治療の順番を待っている患者さんの心理状態をよく、描写していると思います。  

強者と弱者、治療を行う側と、受ける側と、とかく治療を行う側は、受ける側の気持ちを  

軽視しがちになりがちですが 「私たちも、歯科医療に携わるもの  

患者さんの立場に立って、治療を考えることが大切だな」と感じました。  

やはり職業柄、思いは、そういう方向にいってしまいますね。 

    

「ピンポーン、ピンポーン」チャイムが鳴って、つかの間の寛ぎが破られた  

「宅急便か何かだわ、あなた・・・(あたし忙しいんだから)」  

強者と弱者、一瞬、妻の顔がNOTERMANの絵のサルのように思えた・・・ 

(  冗談ですよ )  

それでは、これにて失礼します。  

医療法人 添田歯科診療所 院長 添田義博 

  

※出典 「ART AND THE DENTIST」

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