添田院長ブログ Vol.67 「夜が怖い」
————————————————————————–院長ブログ
「夜が怖い」
知らず知らずのうち、本屋や、赤提灯などに
足が向いて時間をつぶしてしまう・・・
実は、夜が・・夜が怖い。
夜、家に帰って、妻の顔を見るのが怖い・・・。
ナンチャッて、これは冗談です(笑)
妻にたいして、一点の曇りもないほど疚しいこともないし、
妻の顔を見るのが毎日嬉しいぐらいです。
(ヨイショ、ヨイショ もうひとつついでにヨイ ショ)
ホント、ホント。
「夜が怖い」 私と同業の歯科医の先生なら、
「夜が 怖い」と一度は感じたことが、あるのではないかと思います。
「夜が怖い?」正確にいうと「夜の眠りが怖い」 「眠りが怖い?」
あれですか、ずいぶん昔、話題になった、あのホラー映画
怪人フライドチキン、それはケンタッキーだったな。
う~ん、名前が出てこない
フライデー・・・ フライデーは金曜日
そうかジェイソンだ、それは「13日の金曜日」だったよな
そう思い出した!フレディーだ。
そのフレディーという怪人が悪夢にでてきて
夢の中で惨劇を起こし、夢と同じ事が現実になる
ほれ、「エルム街のなんとか」、そう「エルム街の悪夢だ!」
「何が、悪夢なの?一人でブツブツ気持ち悪い。
うん? 『エルム街の悪夢』そんな映画、マニアックなオヤジしか知らないのとちがう?」
突然、妻が、怪人フレディーのようにブログに乱入して来た。
《エルム街の悪夢の映画予告画像です ※注意 ホラー映画ですので、苦手な方は再生しないで下さい
あらすじ:エルム街に暮らす高校生たちの、夢の中に利な鉄の爪をつけた怪人が現れ、彼らを脅かす。
夢の恐怖は現実化し、体には傷まで残っていた。悪夢とともに殺人事件が続く中、彼と闘うことに……。
夢の中のみならず、現実にも出現する殺人鬼の恐怖を描く。》
冗談はさておき、先日11月20~21日に、私が所属しております、
日本口腔インプラント学会『第30回近畿・北陸支部、
総会・学術大会』が、福井県で開催されました。
簡単にいいますと、インプラントの技術や知識の向上を
目指し、興味をもって勉強されている、近畿および、北陸
地区の先生のための、年に一度の大きな勉強会です。
私も、20日の土曜日の午後から、診療をお休みさせていただき、泊まりがけで勉強しに
行ってきました。この大会の中で「睡眠ブラキシズムとインプラントの咬合」というテーマで
特別講演がありました。
講師は、関東の歯科大学の矯正の教授、そして、その大学の学長もされておられ、
我々の業界では、著名な権威の先生で、大変素晴らしい講演でした。
ブラキシズムとは、「歯ぎしり」のことで、
グライディング:上下の歯を強く擦り合わせる動作。
一般的には、これを「歯ぎしり」と呼ぶ事が多い
クレンジング :上下の歯を強く噛み合わせる動作。簡単にいえば「くいしばり」です
タッピング :上下の歯をカチカチ噛み合わせる動作
動作の様式から、上の三種類のパターンに分類されます。
やっかいなことに、この「歯ぎしり」により、睡眠時など無意識下で
歯の咬耗、破切、知覚過敏、虫歯、歯周病進行、顎関節症など
様々なトラブルを起こします。
この、「歯ぎしり」は病的なもので、咬唇癖(くちびるを咬むくせ)
弄舌癖(舌をあちこち動かすくせ)などのように、無目的、無意味に
無意識下に行われる、異常習癖と云われていましたが、
講演の中で、講師の先生は、歯ぎしりは生理的な活動で、
程度の差はあっても、ほとんどの人が行っているそうです。
あるリサーチでは、97、8%の人が睡眠時に歯ぎしりを行っており、
歯ぎしりをしていなかった人は、うつ病等、精神的な病気をもって
おられる人だったと、報告されていました。
この、歯ぎしり、精神的、肉体的ストレスを歯ぎしり行なう事で、発散しているという。
多くの野生動物は、ストレスをうけると、咀嚼器官を使い、そのストレスに
反応するそうで、簡単にいうと、狼などが敵に遭うと牙をみせ、威嚇する行動をとります。
私の妻も、ときに牙をみせ威嚇しますが、私が大きなストレスなのでしょうか?
いずれにしても、野生動物にとって外敵に遭遇することが、
最も大きなストレスなわけで、そういったときに、彼らは
歯を食いしばり、牙を見せ相手を威嚇するという行動をとるそうです。
人は、高度に大脳が発達し、野生動物のように咀嚼器官を使い
牙を見せ、歯を食いしばるなどの、ストレスを発散させるという行動は、
覚醒時に抑制され、睡眠時や無意識化で、歯ぎしりをしてストレスを
発散させる活動が、大脳の指令により行われるそうです。
今から15、6年ぐらい前になりますが、私の左の下の奥歯(一応専門家なので
正確に言うと下顎左側第一大臼歯です) が、朝食に柔らかいパンを食べて
私は、強度のブラキサーらしく、何度か母や姉に、
眠っているとき、ギリギリと歯ぎしりの音がうるさくて
眠れないと指摘されたことを覚えています。
おそらく、このときも眠っているときに歯ぎしりをしていて、
それまで、歯ぎしりでダメージを受けていた歯に、亀裂が入り、
たまたま柔らかいものを食べて、歯が欠けたものと思います。
(通常の咀嚼の際にかかる力ぐらいで、歯が欠けることは考えられません)
ある研究によれば、歯ぎしりで第一大臼歯に瞬間的にかかる力は、自分の体重の
約1.5倍にもなるともいわれています。
私の場合であれば、60kg×1.5=90kgすなわち、軽量級のお相撲さんが、
ドスコイ、ドスコイと歯の上に乗っかていたことになるわけです。
そりゃ~、歯も欠けたりもしますわな。
そういう、苦い経験があって、夜間眠るときには必ず、
歯ぎしり防止のナイトガード(プロボクサーなどがはめている
マウスピースの親戚みたいなものです)をはめています。
「歯ぎしり」をしていると自覚しているかた、
「歯ぎしりなんかしていない」と思われているかたも
朝顎がだるい、歯が全体的に削れてきたよう感じがする
知覚過敏で全体的に歯がしみるなどの症状があるかたは、
一度、チェックされることをお勧めします。
でないと「夜は怖い」、「眠りが恐ろしい」ということに
なるかもしれませんよ。
医療法人 ソエダ歯科診療所 院長 添田義博
※ブラキシズムに関しては、様々な説があります。
ブログの中で書いたことは、医学的に実証されていない部分もありますので、ご了承ください
※当院では『ブラックスチェッカー』といって、睡眠中に歯ぎしりをしているか調べる方法があります。
その結果によって、マウスピース等の必要性がわかります。 詳しくはコチラ
※トラ画像:クリエイティブ・コモンズ by:Tambako the Jaguar