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PostHeaderIcon 添田院長ブログ Vol.60 「三じゅうコース」

  

—————————————————————————院長ブログ

「三じゅうコース」

   

秋も深まり味覚を楽しませてくれる季節になると

昔の父の事を思い出します。

父は30代の働き盛りの頃、体重が100キロ以上もあり

よく太っていました。今で言えば完全にメタボですね。

 朝早くから夜遅くまでバリバリと仕事をこなしていて

日曜日も、技工の仕事などで時々出勤していました。

仕事もよくしていましたが、よく食べ・よく飲み・よく遊ぶ。

ストレスも多かったのか、タバコはピース缶を1日1缶は吸っていた様です。

当時は昼食を食べられない程 忙しい日が頻繁にあり、仕事が終わった後

昼食にありつけなかったスタッフ達を診療所近く(難波界隈)の食事処へ

夕食に連れて行ったようです。

 勤務していたスタッフの間では、この父の奢りの夕食は「三じゅうコース」として有名でした。

父が好んで行く店が「はりじゅう」「まるじゅう」「ぼてじゅう」とすべてに

「じゅう」が付き、1日2軒は必ずハシゴをしていました。

絶好調の時は3軒ハシゴをする事もあったので「三じゅうコース」という

名前がついたそうです。

私が大学を卒業し、父の診療所で働き始めた頃には、残念ながら3軒ハシゴをする

「三じゅうコース」はなく、一緒に行った事はありませんでした。

しかし秋の鍋物が恋しくなる頃、たった1度だけ「三じゅうコース」が復活した事がありました。

はりじゅう

「三じゅうコース」の最初は、すきやき・しゃぶしゃぶの

「はり重(はりじゅう)」です。

「はり重」は道頓堀橋のすぐ南の御堂筋東沿いにある老舗で、

私の診療所から歩いても5分とかからない所にあります。

まずここで「しゃぶしゃぶ」等を十分に堪能し、ビールやお酒も

じゃんじゃん飲んでお腹一杯、ほろ酔い加減。 

普通ならここでお開きになるのですが、「三じゅうコース」の

途中で帰るのは御法度のようで、当時のスタッフはお腹が

苦しくても父の機嫌を損ねてはいけないと思い?!

父について行った様です。

父は皆を引き連れて颯爽と「次に行くぞ!」と「⊕(まるじゅう)」へ。

まるじゅう

「⊕」は お寿司屋さんです。当時は「はり重」から目と鼻の先に

あり、同じ御堂筋沿いにありました。(現在は当時の場所から

少し離れた、御堂筋の西側一筋入った所にあります)

このお寿司屋さんは、昭和26年創業以来60年近く

南で看板を守っていて、桂米朝さんや桂春団治さん

等もよく通った、歴史のあるお店です。

さて「⊕」では、上にぎり・巻きずし・刺身に赤だし・茶碗蒸しに

お酒にビールと父が注文をし、テーブルの上はあっというまに

お寿司とお酒で溢れんばかりになります。

まるで大食い選手権のごとく、食べ物の洪水にさらされ

お腹一杯過ぎて、苦しそうな者や酔いがまわって ろれつのまわらない者・

ぼてぢゅう

もう眠り込んでいる者に向かって

父は再び「さあ、次い行くぞ!」と号令一声。

「三じゅうコース」最後の関門は「ぼてじゅう」です。

「ぼてじゅう」も戦後まもない昭和21年に創業した

大阪難波に本拠を構える、お好み焼きと焼きそばなどの老舗です。

そこでも、ビールにお酒・お好み焼きに焼きそば・モダン焼きなどを注文して

テーブルは粉ものとお酒で溢れます。

「もう苦しい~」

「もう食べられない」

「Z-Z-Z-」

スタッフの悲鳴をよそに、食べて・飲んで満足すると

「さあ、食べたか出るぞ!」

これで開きかと思いきや、まだ余力の残っていそうなもの2・3人に

「ちょっと、そこまで付き合え」と何処に行くのかと思うと

なんとコース締めくくりに「松屋」という立ち食いうどんの店に行き、

「月見うどん」か何かを注文します。

その後ようやくお開きになり、タクシーを拾い自宅まで帰るのですが、

帰ってから まだお茶漬けを食べる時もありました。

感心するのは、これ程 暴飲暴食しても次の日に仕事があれば

シャン!として、朝早く起きて誰よりも早く出勤していた事です。

 しかし不摂生が祟ったのか、私が父の診療所に勤務し始めて数年後、脳出血で倒れ、

救急車で運ばれて生死の境を彷徨いました。幸い九死に一生を得て後遺症もなく、

奇跡的に仕事に復帰しました。

それからは180度生活習慣が変わり、「健康オタク」と言えるぐらい

食べ物に気を使い、健康の本を読み漁っています。

大先生(父)

ベストセラーになった食事指導の健康本などを買ってきては、

「読むように」とよく勧められます。

 毎日欠かさず1~2時間歩いてもいて、同じ人間か?

と思う位です。

83歳になりましたが、顔色も良くすこぶる健康に過ごしています。

食欲の秋、ついつい食べ過ぎてしまいがちですが、父の姿を見ていると

「暴飲暴食は控え、腹八分目で旬の物を良く咬み・味わって食べる事が

健康の秘訣なのかな」と感じます。

皆さん!食事の後は忘れず歯磨きを。

歯の健康も大事ですぞ!

医療法人 ソエダ歯科診療所 院長 添田義博

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