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PostHeaderIcon 院長ブログ Vol.38 「土用の丑の日はうなぎ?」

 

————————————————————————院長ブログ

「土用の丑の日はうなぎ?」

  

日本でうなぎと言えば、土用の丑の日(今年は7月26日)に、

暑い夏に栄養をつけ、元気がでるようにと食べる習慣があります。

平賀源内

なぜ、うなぎが食べられるようになったのか?

色々な説がありますが、最も有名なものは江戸時代に

讃岐の国出身の平賀源内が発案したという説です。

その説によると、商売がうまくいかないうなぎ屋の主人が、

源内に何とか うなぎが売れる方法はないか相談に行ったところ、

源内は「丑の日に『う』のつくものを食べれば、元気が出て夏バテ

しない」という民間伝承にヒントを得て、店主に「本日、土用の丑の日」の張り紙を

店の入り口にする事を勧めたそうです。

早速、源内の助言どおりにしたところ、博識で有名な源内の言うことならと、

そのうなぎ屋には、たくさんの客が来るようになり、商売繁盛となったわけです。

そして その噂を聞いた他のうなぎ屋もそれを真似しだし、それが広まり

「土用の丑の日にうなぎを食べる」という風習が定着したそうです。

この風習のとおり うなぎは、ビタミンAやビタミンBが豊富に含まれ

夏バテや食欲減退にある程度の効果が期待できるようです。

しかし、最も脂がのった旬の時期は夏場ではなく、

冬眠に備え栄養を蓄える晩秋から初冬と言われていて、

逆に夏場のものは味がおちるそうです。

(私もうなぎは食べます。決してうなぎで商売をされている方の邪魔をするつもりはありません)

また現代では、ビタミンAの過剰摂取が問題とされていて

特に妊婦さんは取りすぎると、お腹の赤ちゃんに悪い影響が出る事も

わかっており、摂り過ぎには要注意です。

そういうわけで「土用の丑の日」にうなぎを食べる風習は、

まぁ 今風に言えばコマーシャリズムから生まれた風習であり、

バレンタインデーのチョコレートのようなものと同じだと考えられます。

ところで「土用の丑の日のうなぎ」と言えば、あまり面白くないというか

キモイ(気持ち悪い)思い出があります。

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かれこれ30年近く前、当時 大学5年生で毎日ハードな実習があり、

精神的にも肉体的にもキツイ時期でした。

午前の実習が終わり、友人と大学の近くの食堂街に行きました。

数人の友達と何を食べようか迷っていたのですが、

友人の1人が「今日は、土用の丑の日だ!」と言いだし

みんなで「土用の丑の日と言えば、当然うなぎ!うなぎで決定!!」と

いう事になり、食堂街にある結構流行っている蒲焼の店に行きました。

「土用の丑の日」ということもあり、店はお客さんで込み合っていて、

お店にたちこめる芳ばしい蒲焼の匂いを嗅ぎ、空腹を我慢しながら15分ばかり

席が空くのを待ったでしょうか。ようやく席が空いて、ウナ重を注文しました。

ほどなく アツアツのご飯の上に蒲焼、そこにタレがたっぷりとかかったうな重が出てきました。

山椒を少しふりかけ、さっそく一口。

「う~ん、美味しい。やっぱり土用の丑の日はうなぎに限る」と

舌鼓を打ち、また一口。

みんな お腹が空いていた事もあり、ろくに話もせず黙々とうな重を

口にかきこんでいました。

半分ぐらい食べた後、一息ついてお茶を飲み、残りのうな重を食べようとした時

蒲焼とご飯の間から、何か小エビの触覚ような物が、はみ出ているのを見つけました。

『ん、シバエビか?! 何かサービスでご飯に入っているのかな?』

恐る恐る蒲焼をご飯から持ち上げると、なんとそこには エビではなく、

小さな柿の種ぐらいの大きさで、うなぎの蒲焼と同じ色をしていて

台所などに出没し、皆さんの嫌われ度No.1の

「ゴ」のつく害虫が瀕死の状態で横たわっているではありませんか!

(うな重を食べながらブログを読んでいる人がいれば、スミマセン)

「ゲッ、ゴ○○リ!!」と叫んでしまいました。

店長さんが飛んできて「本当にすいませんでした。新しいウナ重に取りかえますので」と

平身低頭で謝られたのですが、どうしてもうな重を食べる気がしなくなり

お断りして店を出ました。

無料の券も貰いましたが、それ以降その店に行く事はありませんでした。

また暫くは、うなぎの蒲焼を食べる事はできませんでした。

源内が発案したように、土用の丑の日は「う」のつく「うなぎ」を食べれば

精がつく(元気がでる)のでしょうが、「う」のつく物の他に「ゴ」のつく虫が

紛れ込んでいた為に、私は食欲がいっぺんになくなり、逆に元気も無くなった事を

覚えています。

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今でもうなぎは嫌いではなく、たまに食べます。

しかし「土用の丑の日」だけは・・・ そう「土用の丑の日」だけは

うなぎを食べない事にしています。

 さて夏場は気温が高く、体内の糖を燃焼させるのに必要なビタミンB1が

他の季節より2~3倍消費されます。ビタミンB1が不足すると、疲労がたまりやすく

いわゆる夏バテが起こりやすくなるわけです。

夏バテ対策として、ビタミンB1を豊富に含む食材

うなぎ・豚肉・鯛・ぶり・玄米・ホウレンソウ・ごま・大豆などを

ビタミンB1の吸収を高めて、効果を持続させるアリニンを含む食材

(ニンニク・ニラ・玉ねぎ・ネギなど)と共に摂取し、

体内に溜まった疲労物質を早く代謝させるクエン酸を含む食材

(グレープフルーツ・オレンジ・レモン・梅干しなど)をバランスよく摂る事を

お勧めします。

もちろん、よく咬んで胃腸に負担をかけない事も大切です。

そして食べた後には、歯磨きを忘れずに!

  

 

医療法人 添田歯科診療所 院長 添田義博

 

※土用の丑の日:

       夏の土用の丑の日が、うなぎを食べる風習で有名ですが、実は年に数日あります

       土用とは立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間のことで、その中の丑の日

       (十二支の中の丑)を「土用の丑の日」と呼びます。

       丑の日は十二支を1日ごとに割り当てていくので12日毎に1度回ってきます。

       年によっては土用の期間に丑の日が2回くることもあります。

※平賀源内:

       1728(享保13年)~1779年(安永8年) 

       江戸時代の本草学者、蘭学者、発明家、医者、作家、画家

       日本初の発電機(静電気発生装置)エレキテルの発明で有名

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