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PostHeaderIcon 院長ブログ Vol.35 「歯の色、色々、いろは」

 

————————————————————————–院長ブログ

「歯の色、色々、いろは」

  

電車に乗っても、街を歩いていても仕事柄、人の口元に目がいき

歯並びや歯の色を、ついつい観察してしまいます。

ここ数年、若い女性の方を中心に、美容に対する意識が高まり

歯の色に関しても「より白く、自然の歯よりも白く、美しくしたい」という

傾向にあるようです。

テレビを見ていても前歯すべてをセラミックで治療され

不自然なまでに、白い歯のタレントさんも珍しくはありません。

すべて流行というものは時代により移り変わるもので、歯の色のトレンドも同じで、

父が働き盛りのときは、前歯でも金冠をかぶせて欲しいという人が、たくさんいたそうで

前歯に金冠を被せ見せることが、ある種、ステイタスの象徴だったのかもしれません。

実際私が、働き出した20数年前は前歯でも金冠をかぶせて欲しいという年配の患者さんが

時々来院され、そういった治療に不慣れな私は、父に治療を代わってもらったものでした。

 

さて、歯の色のトレンドを父の時代から遡って振り返って見ると

明治時代の初期までは、漆のように艶のある黒い歯が美しいとされていたようで

歯を黒く染める、お歯黒という風習があり、江戸時代には、既婚女性や遊女、

芸妓、貴族階級の化粧として定着していたようで、浮世絵の美人画にも、

お歯黒をした女性の姿が見ることができます。

お歯黒は、「鉄漿」(かね)とも書き、その主成分は

酢酸に鉄をとかした鉄漿水(かねみす)と呼ばれる

茶褐色の溶液(酢酸第一鉄)で、これに五倍子粉

(ふしこ)とよばれるタンニンを多く含む粉を混ると、

黒い艶のある非水溶性の液になります。

この液で、歯をコーティングすることにより虫歯予防、歯質強化などもあったとされて

います。ただ、お歯黒は、悪臭があり、手間がかかる、見た目が老けた感じするなどの

理由で、若い未婚の女性には敬遠されていたようです。

お歯黒の起源は、かなり古く東大寺の正倉院には8世紀半ばに、唐から来日した鑑真が

持参したと云われる、お歯黒の製造法の記録が現存しています。

また、古墳に埋葬された人骨や埴輪にお歯黒の跡が見つかっています。

鉄を使用したお歯黒は、大陸から鉄器とともに日本に伝わったといわれ

それ以前にも、木の実や草木の液で歯を染める風習があったそうです。

歯の色のトレンドを振り返ってみて、黒でも、金色でも、人から、美しく、

よく見られたいという気持ちに、変わりはなかったのではないかと思います。

当院には、たくさんの患者さんが歯を白くするため、ホワイトニングに来院されます。

ホワイトニングで、白く美しくなった歯を鏡で見て感激して、喜んで頂いた

患者さんを見る度に歯が白く、明るくなるだけではなく、

心まで明るくなって頂いた様な感じがします。

歯の色でお悩みの皆さん、一度気軽に当院にお越しください。

  

           医療法人 添田歯科診療所 院長 添田義博

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