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PostHeaderIcon 院長ブログ Vol.2 「歯無しにならない話」

 

————————————————————-  添田院長 ブログ 

「歯無しにならない話」

今年のNHKの大河ドラマは「龍馬伝」で、福山雅治さん扮する坂本龍馬が

毎週日曜日、活躍されています。

龍馬と同時代の生きた人物で、歌川国芳という絵師がいました。

葛飾北斎、歌川広重とともに幕末を代表する絵師ですが日本での知名度や、

人気は北斎、広重ほど高くなかったようです。

20世紀の後半になり、ようやく「幕末の奇想絵師」として注目され評価を

受けるようになりました。

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彼の浮世絵の中に、「奇体な迷医難病療治」(右図参照)

という、歯の治療をモチーフにした作品があります。

絵の下中心には、抜歯器具をもった歯医者(おそらく

口中医とおもわれる)が鉄漿(おはぐろ)をした女性の

歯を抜こうとしています。                                                                                                                                                     

その下には、木製の総入歯が見られ歯医者の横には、                                    

歯医者と患者の会話が書かれています。

    

歯医者「はのいたむというものは なかなかなんぎなものでござる これはのこらずぬいて

     しまって うえもしたもそういればにすれば 一せうはいたむうれいはござらぬて」

患者  「これはなるほどよいおりようじでございます。」

現代語に訳すると

歯医者 「歯が痛いのは、本当に辛いことでしょう いっそのこと歯を全部抜いてしまって、

     上も下も総入歯にすれば歯の痛みで悩まされることはないですよ」

患者  「これは、なるほど良い治療法ですね」

という風になるでしょうか。

   

今も昔も、歯の痛みは変わらないでしょうが、歯科医療の技術も設備も黎明期であった

江戸時代では痛みがでれば歯を抜いてしまうというのが、常識だったのかもしれません。

ただ、いくら技術が進歩した現在でも、喫煙、食生活など不摂生そして、日頃の歯磨きや

歯医者さんでの定期的なお口のメインテナンスを怠れば、抜いて入れ歯を入れないと

しかたがない状況になる可能性が高くなります。

歯無しにならないためにも、日頃の歯磨きと、最低半年に一度の歯医者さんでの

定期健診をお勧めします。

   

※ 口中医 

  江戸時代には、抜歯や虫歯の治療を行う口中医と出張し入れ歯づくりを専門におこなう

  入れ歯師がいた。大きな違いは、口中医は専門教育を受けていたのに対し入れ歯師は

  全く専門知識がなく、昔大工さんのように親方に弟子入りし技術を磨いたそうです。

  江戸時代には、口中医より入れ歯師のほうが大衆に人気があったようです。

※ 「ARTANDTHEDENTISTBernardS.Moskow」より出典                                            

医療法人 添田歯科診療所 添田義博

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